~鬼神~第2暴走第2暴走~集団リンチ~教室に入り翔希の脳裏には中学時代が蘇った。 (な・・なんだ・・この嫌な感じ・・は・・?) 彼は不思議に思いながらもクラスメイト達に「おはよう」と声をかける。 しかし、声をかけたクラスメイト達は嫌そうな顔、気味悪がった顔をした。 (ど、どうしたんだ・・?) 仕方なくそのまま自分の席に座る翔希・・すると、翔希の頭の後ろに何かが当る。 「痛ッ・・なんだ・・?」 彼はそっと後ろを振り向くと背面黒板の辺りに溜まっている男子生徒を発見。そのまま下に目をやると消しゴムが落ちていた。 (消しゴム・・あの人達が投げたのか・・?) 彼は心の中では分かっている。中学生最初のイジメもこう言う風に執り行われ始めたからだ。 空気が悪い中、予鈴が鳴り響いた。それと同時に担任が教室の戸を開けた。 「よーし、皆居るなぁ?」 ある一部の生徒が「センセー、おそーい!」と口を合わせて言う。 「悪い悪い!さ!出席を取るぞー」 担任は教卓の前に立ち出席を取り始めた。翔希の番が来て朝のホームルームの前の事でテンションが下がっていたのか 元気が無く受け答えをした。 「元気ないぞー、翔希ぃ?何か悪いもんでも食ったか?」 担任はあっははと笑いながら言うと、周りの生徒は無駄にオーバーなリアクションで笑う。 「センセー!市山君は多分勉強疲れでしょー!優等生だから!」 「きっとそうだよ!市山君はゆーとーせーだからさー!」 クラスメイト達は嫌味の様に翔希に向けて言い放つ。 「おいおい、あまりクラスメイトをそう言う風に言うもんじゃないぞー」 担任も少し笑いながら言う。 (なんだ・・一体・・どうしてまたイジメの雰囲気が・・?) 翔希は出席が取り終わると考えた。 1次元目から4次元目まで終わる。その間の休み時間・・当然の様に翔希はまた軽いイジメにあった。 だが、今は昼休み。翔希はクラスから離れ弁当を持ち屋上へ足を運ぶ。 (・・・どうなってるんだ・・一体・・!?) 心で思いながら屋上へ続く階段を登る。すると、待ち伏せをしていたかの様に日下が現れた。 「よぉ!優等生のいっちやっまく~ん!」 「く、日下君・・何?」 怯えながら返事を返す。 「何って・・お前またイジメ受けたろ?」 口に笑みを浮かべながら言う。 (まさか・・やっぱり日下君のせいなのか・・!?) 「そだ、お前にいい事教えてやるよ。今お前が向おうとしている屋上だが、そこには不良の先輩と今年入った 1年の不良が溜まってるぜェ?あ、それとそれと・・」 彼はそのまま続けた。 「その不良達俺の友達だからよぉ、お前の噂・・ある事無い事言っといたから光栄に思えよ!アッハハハハ!」 「そ、そんな!どうして!?」 「そりゃぁ決まってんじゃん!オメーがすんげぇムカつくからだよ!お前みたいなウジウジした虫野朗は目障り なんだよ!!」 翔希は恐れながら足を一歩後ろに引いた・・と、背中が何かにぶつかる。 「え・・貴方・・達・・は?」 彼の後ろに居るのは体系の良い柔道部の2年の先輩、空手部の同じく2年の先輩。 「よぉ。日下に聞いたぜぇ・・?喧嘩強ぇんだってなぁ?そんでもって随分いきがってるらしいじゃん?」 「そ・・そんな事ありません・・でまかせですよ!」 一生懸命否定しても全く聞く耳を持たない先輩達・・空手部の先輩が翔希を羽交い絞めにしてそのまま階段を上がり 屋上へ連れて行く。 「や、やめてください!」 彼はもがく・・しかし、力の強い先輩には只の抵抗でしかない。 屋上の扉を日下が開き、最初に翔希の目に入った物は男子生徒がタバコを吹かしている所だった。 「あ~、やっべぇ~優等生君にバレちゃったぁ~」 いかにもハメました的な口調で言う1年。 「い・・いや・・誰にも言いませんから・・!」 翔希は必死に言う。が、それも敵わない。 「黙ってもらわなきゃぁ~」 「そうだなぁ、どうする?」 「よぉし!皆で口封じ!」 屋上に居た生徒達は翔希に殴りかかる! 「グ・・ァ・・!」 続々と殴りや蹴りを入れまくる男子生徒。それを屋上に来かけた1年生の女子が見てしまった。 「キャ・・!?」 女子生徒はその場をダッシュで逃げてしまった。雰囲気的に助けを呼ぼうとはしないだろう。 「もっと殴っちまえぇ!」 その声と共にいっそう攻撃は激しくなる―! 「う・・あァ・・!」 翔希の悲しい叫びがどんどん小さくなって行く・・・ 「ッチ・・、もう終わりかよ!この腑抜けがァ!」 日下が最後に翔希の脇腹へと思い蹴りを入れた! 「ウッ・・・・!」 その一撃で翔希は気を失った―― 第3暴走へ続く。 ジャンル別一覧
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